2024年度シリコンバレー合宿〜前編〜
- ashizawa-group
- 2024年8月29日
- 読了時間: 4分
今年度の芦澤ゼミでは、スタートアップ・エコシステムの最前線を体感する為、シリコンバレーにてゼミ合宿を実施しました。この合宿では、スタートアップのエコシステムやベンチャーキャピタルの役割について、現地の起業家やリーダーから多くを学ぶ貴重な機会を得ました。今回のブログではゼミ合宿前編として、投資家の奥本さん、Japan Innovation Campusのランチピッチイベント、スタンフォード大学の池野先生、そして大鵬ベンチャーズの石井さんのハイライトをゼミ生の古瀬と坂口がお届けします。
ウェルビーイングテック・ベンチャーキャピタリストの奥本直子さんとの対話では、ウェルビーイングの重要性とその背景について具体的に学ぶことができました。ウェルビーイングが米国においてどのようにして重要視されるようになったのか、その経緯を聞くことができました。日本ではまだウェルビーイングが十分に浸透していない中で、私たちもその価値を理解し、未来に向けて取り組みたいと強く思いました。
Japan Innovation Campusは、経済産業省が主催するシリコンバレーのイノベーション拠点です。私たちはランチタイムのピッチ大会を見学させて頂きました。シリコンバレーにおける日本人コミュニティの活性化に尽力されている皆様の情熱とエネルギーに感銘を受けました。
池野文昭先生は、スタンフォード大学の循環器科での研究を開始して以来、200社を超える米国医療機器ベンチャーの開発に関わってきた医療イノベーションの専門家です。池野先生との対話で最も心に残ったのは「かっこいい理由ではなく、好きだから行動する」という情熱です。何かを渇望し、それを成し遂げるために全力を尽くす、その強いパッションこそが周囲の人々を巻き込み、社会を前進させる力になるというメッセージは、私にとって大きな教訓となりました。リスクを恐れず、情熱を持って行動することの大切さを改めて学びました。
大鵬ベンチャーズは、大塚製薬のグループ会社である大鵬薬品が運営するCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)です。シリコンバレーに拠点を置き、オープンイノベーション(企業内外の技術やアイデアを融合させて新たな価値を創出する取り組み)を目的に、海外スタートアップへの積極的な投資を行っています。昨今、オンライン会議アプリを通じて海外との会議や取引が容易に行えるようになりましたが、現地に拠点を置くことと比べると、得られる情報量には大きな差があると感じました。シリコンバレーはしばしば「ムラ社会」と称されますが、現地に拠点を設けてコミュニティに入ることで、シリコンバレーのエコシステムの一部となり、プレイヤー間での情報共有を通じて、そのエコシステムがさらに活性化されるものだと実感しました。
シリコンバレーは気候がとても穏やかで、その気候がもたらすウェルビーイングが新たな価値創造の源泉になっていると感じました。日本でもウェルビーイングを意識した生活を心掛け、個人のパフォーマンスを常に高い状態に保ちたいと思います。
M46 古瀬 坂口
〜芦澤先生より追記〜
「慶應ビジネススクールでゼミを持ったら、ゼミ生と一緒に毎年シリコンバレーに戻ってこよう」と考えていたことが今回実現することになりました。
私は2022年夏から8か月、客員研究員としてスタンフォードに滞在しました。様々なことを見聞きして思ったことは「これは来てみないとわからない」ということでした。シリコンバレーに関する論文や書籍はたくさん出ています。しかしながら、そこにある圧倒的な資源(人、情報、資金など)と、貫く文化のパワーは、文献から理解するのは難しい。さらには、この場所の最先端はドンドン前に進みます。「シリコンバレーの今」は、来ないと掴むことはできない。
ところで、今回のシリコンバレー合宿では、敢えて日本語話者の訪問に重きを置きました。慶應ビジネススクールが日本語で教育していることの理由の1つは、母国語による学習の方が深い理解を獲得できるから。今回のシリコンバレー合宿でも、皆さんに深く理解し深く考えて欲しかったのです。ヒアリングと同じくらい重視したのが、毎日の宿に戻って振り返りのワークショップ。優秀な芦澤ゼミ生、振り返りの対話からの学びも素晴らしかったです(脱線して、教育とは?愛とは?人生とは?等の哲学的な対話まで!)
しかし実は、予想以上にゼミ生の英語力が高く「英語での活動機会がもっとあってよかったかな」というのが唯一の反省点。次回のシリコンバレー合宿への引継ぎ課題とします!